トコジラミが住宅やホテルなどの建物に侵入する経路には様々なルートがあります。
トコジラミは成虫でも体長が約5mm程度と非常に小さく、人の目に付きにくいため、気が付かないうちに様々な手段を通じて運び込まれることがよくあります。トコジラミは光を嫌い、明るい昼間には姿を現さないため、発見するのが困難な害虫でもあります。
ここではトコジラミが侵入する一般的な方法を4つにまとめてご紹介していきます。
トコジラミが住宅やホテルなどの建物に侵入する経路には様々なルートがあります。
トコジラミは成虫でも体長が約5mm程度と非常に小さく、人の目に付きにくいため、気が付かないうちに様々な手段を通じて運び込まれることがよくあります。トコジラミは光を嫌い、明るい昼間には姿を現さないため、発見するのが困難な害虫でもあります。
ここではトコジラミが侵入する一般的な方法を4つにまとめてご紹介していきます。
トコジラミは人や物の移動に伴って広がることが最も多いと考えられています。特に旅行先やその移動手段として使われる飛行機、電車、バスなどの公共交通機関を通じて移動し、侵入しやすい状況となります。
旅行先や公共交通機関では多くの人が出入りし、国内はもちろん、国外のあらゆる地域から旅行者が集まるため、まさにトコジラミが拡散しやすい条件が揃っています。
世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症に関する「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を終了すると表明した2023年5月以降、特にトコジラミの拡散が懸念されています。
ホテル、旅館、民宿などの宿泊施設は、特にトコジラミが拡散しやすい場所です。宿泊客が使用するベッド、ソファ、カーペットなどにトコジラミが潜んでいることがあります。
宿泊客のスーツケースや旅行カバンに潜り込むことで、他の宿泊施設や旅行者の自宅まで持ち帰られる可能性があります。
飛行機、バス、電車などの公共交通機関の座席や荷物置き場に潜んでいるトコジラミが、旅行者の持ち物や衣類に移り、新たな場所へと運ばれる可能性があります。
公共交通機関は日々多くの人が利用するため、トコジラミの移動と拡散のハブ(中核)となり得ます。
特に旅行や出張などで公共交通機関での長時間の移動をした場合は、自宅や宿泊先での荷物の点検を念入りに行うようにしましょう。
トコジラミの侵入と拡散を防ぐには、旅行時の予防対策としてスーツケースの定期的なチェック、帰宅後すぐに衣類を洗濯(できれば高温で)、そして荷物の徹底的な確認・点検が重要となります。
また、宿泊施設や公共交通機関を利用する際にも常に注意を払い、クチコミレビューなどを参考にしてできるだけクリーンな施設を選ぶようにしましょう。
日本以外でもトコジラミの被害は、多くの国々で増加傾向にあります。特にアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどの先進国で問題が深刻化していますが、途上国でも被害報告が増えています。
アメリカでは2000年代初頭からトコジラミの被害が急増し、特に大都市や観光地での被害が顕著です。ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスなどの都市では、ホテルだけでなく、映画館、図書館、公共交通機関など、多様な場所でトコジラミが発見されています。駆除費用が高額であるにも関わらず、再発が多いという問題もあります。
イギリス、フランス、ドイツなど、ヨーロッパ全域でトコジラミの問題が増加しています。特に観光業が盛んな都市や、学生の国際交流が活発な大学都市での報告が多いです。ヨーロッパ内の自由な人の移動もトコジラミの被害が拡散する原因と考えられています。
オーストラリアでは、特にシドニーやメルボルンなどの大都市でトコジラミの被害が増えています。温暖な気候がトコジラミの繁殖を促進しているとされ、多くの住宅やホテルで対策が講じられています。
アジアでも特に中国、インド、東南アジア諸国でトコジラミの被害が報告されています。急速な都市化と国内外からの旅行者の増加が、トコジラミ問題の拡大の原因と考えられています。これらの地域では、防除のための教育や情報提供が重要視されています。
アフリカでも都市部を中心にトコジラミの被害が増えているとの報告がありますが、具体的な状況は不明瞭な部分も多いです。資源の限られた地域では、適切な対策がとられにくいことも問題となっています。
これらの国々での被害報告は、トコジラミが地理的な境界を超えて広がり、さまざまな環境で繁殖する能力を持っているということが理解できます。各国での対策や予防法の共有が、問題解決に向けて非常に重要となるということは言うまでもありません。
中古の家具や衣類、本などは、他人から譲り受けたり、アンティークショップやフリーマーケット・オンラインショップなどで購入したりすることが一般的ですが、これらの物品がトコジラミの運び手となることもあります。
特に注意が必要なのは次のようなアイテムです。
特に布製のソファーや椅子、マットレスはトコジラミが隠れやすい場所です。トコジラミの隠れ家として理想的な環境となるため、中古で購入する際には、以前の所有者がトコジラミの問題を抱えていた場合、その被害を引き継いでしまうリスクがあります。
購入前に実際に品物を見ることができる場合は、必ず家具の隅々まで慎重にチェックするようにしてください。可能であれば高温の蒸気で処理することができればベストですが、なかなか一般家庭では難しいかと思います。できれば天気の良い日に天日干しをしてから使用するようにすると良いでしょう。
中古の衣類にもトコジラミが潜んでいるリスクがあります。十分な洗浄や乾燥処理を経ていない場合、トコジラミが衣類に潜んでいる可能性があります。トコジラミは高温に弱いと言われていますので、購入後は高温(できれば60度以上)につけ置きし、高温での乾燥機処理を行うことで安心して着用することができるでしょう。
中古の本やバッグなどの小物でもトコジラミは運ばれる可能性があります。特に、本の隙間や装飾品の裏側など、目に見えない部分にトコジラミが潜んでいることがあります。血糞(赤黒いゴマのようなもの)などの痕跡がないかどうかよく確認するようにしましょう。
中古品を購入する際は、商品の状態はもちろんのこと、トコジラミが潜んでいないかどうか、隙間や裏側など細かく確認するようにしてください。
また、使用前に天日干しなど適切な処理をすることで、トコジラミの侵入リスクを大きく減らすことができるでしょう。
職場や学校、スポーツジムや温泉など公共の施設でのトコジラミの移動というのは、一般的に見落とされがちですが、実は人々が日常的に使用する服やバッグを通じて頻繁に行われています。トコジラミは非常に小さく、人の目に付きにくいため、服やバッグに付着し、その人が次に訪れる新たな場所へと持ち込まれることがあります。
学校やジム、プール、温泉などの共有ロッカーは、多くの人が利用するため、トコジラミが他の人の衣類やバッグに移るリスクが増加します。ロッカーの中では様々なアイテムが密集して保管されるので、トコジラミが移動しやすい環境が整っています。旅行先だけでなく、日常的に利用する身近な施設でも同様に注意が必要です。
劇場や映画館は多くの人が利用する公共の施設であり、特に座席の隙間や背もたれは、トコジラミが隠れるのに適した場所となります。劇場や映画館は暗くて長時間にわたって人々が静止しているため、トコジラミにとって理想的な繁殖するための環境が整っていると言えます。
共用ロッカーを使う際には、荷物を入れる前にロッカー内を隅々までチェックするようにしましょう。
密集した住宅地やアパート、マンションなどでは、一つの部屋や住宅から別の部屋へトコジラミが移動することがあります。トコジラミは基本的に自力で長い距離を移動することはありませんが、密集しているアパート・マンションなどの場合は、多くの住人が密接に生活しているため、トコジラミの侵入と拡散の可能性が大いに考えられます。
トコジラミは建物の構造を利用して移動します。特に隣接する部屋や上下の階といった建物内で、
電気の配線や配管、換気口などを通じて簡単に移動することができます。ほんの小さな隙間でも、トコジラミにとっては非常に便利な移動経路となってしまい、一度侵入すると一気に拡散してしまう可能性があります。
また、ベランダ伝いにトコジラミが移動するということもあります。トコジラミが付着したマットレスを干していて、隣のベランダにトコジラミが移動して室内に入り込んでしまう、というケースも十分に考えられます。
アパートやマンションで害虫問題が発生した場合は、住人側の問題か管理側の問題かを確認する必要があります。まずは管理人に連絡をして状況説明をし、他の住人による被害報告等が無いかどうか確認するようにしましょう。
旅行や出張での宿泊先では、スーツケースやバッグをできるだけ直接地面に置かないようにするようにしましょう。ベッドや家具周りをチェックして、トコジラミの兆候がないかどうかも確認しておくことをおすすめします。
帰宅時には、できるだけ部屋に入る前に外で荷物を開けてトコジラミがいないか確認し、着ていた服は洗濯カゴに入れずにすぐに高温で洗濯して乾燥させましょう。
また、中古品を買った場合は、しっかりチェックと天日干しをするなど清掃を行うことでトコジラミの侵入を予防することができるでしょう。