コウモリは山の中にいると思われがちですが、種類によっては市街地に住んでいます。市街地で過ごすコウモリは、家の屋根裏や軒下に住みつくことが多いです。
コウモリは家に住みつくと、菌や糞尿によって健康に害がでる恐れがあるため、コウモリを家に寄せ付けないことが重要です。
この記事ではコウモリを家に寄せ付けない方法をご紹介します。生活に取り入れやすい方法をまとめているので、ぜひ実践してみてくださいね。
コウモリの生態
コウモリは哺乳類の仲間です。私たちが生活していて最も多く目にするのは、アブラコウモリだといわれています。アブラコウモリは山中で生活せず、建築物の隙間や橋の下といった市街地にある場所で生息しているためです。
アブラコウモリの体長は4~6cm、体重は5g〜10gほどと小さくて軽いです。5gはA4用紙1枚の重さなので、その軽さが分かっていただけるかと思います。とても小さいので少しの隙間から建物の中に侵入してきます。
コウモリは夜行性で夜に飛び回り、昼は巣で眠って休むのが特徴です。ほとんど視力がなく、人間では聞きとれない超音波によって周囲の状況を判断しています。自分の口や鼻から出した超音波がどれくらいで跳ね返ってきたのかによって、距離や方向を確認して行動しています。
超音波を頼りに夜の空を飛び回るコウモリ。一体どのような場所に巣をつくるのでしょうか。ここでは、コウモリが好む場所についてまとめています。
1. 暗くて安全な場所
コウモリは夜行性なので、夜に活動したあと昼は暗くて静かな場所で眠っています。眠っている間に敵に襲われず、雨風をしのげる暖かい場所を好みます。そのため民家の屋根裏や軒下、換気扇の入り口などに住みつくことが多いです。
2. ぶら下がれて休める場所
コウモリは木の枝にぶら下がっているイメージがありませんか。そのイメージのとおり、コウモリはエサを取る時に飛ぶ以外は、ほとんどどこかにぶら下がって生活をしています。コウモリにとってぶら下がっている状態は、一番リラックスできる姿勢なのです。さらに足を離すと飛べるため、敵からも逃げやすい体勢だといえます。そのため屋根裏や軒下など、柱や梁といったぶら下がれるところがある場所を好みます。
3. 水場がある
水場がある場所は、蚊が大量に発生しやすいです。コウモリは蚊をエサとするため、蚊が多い場所に住みつきます。庭に水たまりや水のはったバケツなどがあると、蚊を狙ったコウモリが近寄ってきやすいので注意しましょう。
4. 瓦屋根の家
瓦屋根の下には土があり、長年の雨で湿気を吸うとやがて土が崩れてきます。土が崩れると瓦の間に隙間ができてしまい、その間からコウモリが侵入してしまいます。瓦の下の隙間は雨風をしのげるため、コウモリが住むには絶好の場所です。駆除する際に瓦の下から何十匹のコウモリが飛び立ったというケースもあります。
コウモリは居心地の良い場所を見つけると、長く住みつくのが特徴です。そのためコウモリの被害に合わないためには、家に寄せ付けないのが効果的です。ここでは、コウモリを家に寄せ付けない方法について7つご紹介します。
1. 隙間をふさぐ
コウモリはとても小さいので、わずか3cmの隙間から侵入するといわれています。主な侵入経路は換気口や屋根瓦の隙間、壁の亀裂などです。換気口は空気を通す必要があるので、網目の細かいネットをかぶせて対策しましょう。壁の亀裂はシーリング材で隙間を埋めるのがおすすめです。屋根瓦の隙間を自分で埋めるのは難しいので、業者に修理を依頼しましょう。他にも扉や窓を閉めるといったことで、コウモリの侵入を防止できます。
2. エサの発生を防ぐ
コウモリのエサとなる蚊の発生を防ぐことが重要です。蚊は水場にわくため、なるべく水気をなくすのがおすすめです。庭に水たまりができやすい場所があれば、土地をならして水たまりを出来にくくしましょう。バケツや空き缶を放置して水をためている場合は、水を捨てて屋内に片付けておきましょう。
3. 錠剤を置く
コウモリが嫌うナフタリン成分が入った錠剤タイプの忌避剤を置くと、コウモリが近寄りません。ただしナフタリンは人体にも有害な成分のため、取扱説明書をよく読んで容量や設置場所を必ず守り、手袋をつけて設置しましょう。効果は1ヵ月ほど続きます。
4. ジェルタイプの忌避剤を置く
専用のトレーにジェルタイプの忌避剤を入れて設置しておくと、コウモリが近寄りにくくなります。忌避効果が約1年間と長く持続するのが魅力です。ただしジェルを多く入れすぎると、コウモリが絡まって死んでしまうことがあるので注意しましょう。
5. 超音波で追い払う
コウモリ避けの超音波発生器を設置しましょう。コウモリは超音波を使って行動しているため、他の超音波を発生させると感覚が狂うので近寄らなくなります。ただしコウモリは自分の発する超音波を変動させられるので、最初は効果を発揮してもまたコウモリが寄ってきてしまう可能性があります。
6. ハッカスプレーを撒く
ハッカには、スッとするメンソールという成分が入っています。コウモリはメンソールの匂いが嫌いなので、ハッカを撒くと近寄らなくなります。薬局で売っているハッカ油と精製水を霧吹きボトルに入れて、コウモリが寄り付きそうな場所に撒きましょう。シロアリやゴキブリといった害虫もメンソールを嫌うので、さまざまな害虫に効果があります。
7. 強力磁石やDVDを吊るす
強力磁石や光を反射するDVDを吊るしておくと、超音波を乱すためコウモリが近寄りにくくなるといわれています。超音波は見えないため効果が発揮できるか分かりにくいですが、100均などで手軽に購入できるので試してみるとよいでしょう。
もしコウモリが家に入ってきてしまったら?
いくらコウモリを寄せ付けないようにしても、家に侵入してしまうことがあります。コウモリは素人の目では気付かないようなわずかな隙間から家に入れてしまうためです。
コウモリが家に入ってくると、ホウキなどで慌てて外で追い出そうとする方が多いです。しかし、慌ててはいけません。刺激するとこちらへ飛びかかってくるため、意図せず素手で触ってしまうことがあるためです。コウモリにはたくさんの菌がついているため、素手で触ると感染症にかかってしまう恐れがあります。家から追い出す時は手袋やマスクをして、身体に触れないように対策しましょう。
他にも害虫駆除用のスプレーを吹きかけて、駆除しようとする方もいます。しかしコウモリは鳥獣保護管理法という法律によって保護されており、捕獲・殺傷は禁止されています。コウモリを駆除する際は殺傷せず、部屋から生きたまま追い出すようにしましょう。